Googleフォームで脱出ゲームを設定する手順
- 新しいフォームを作成する
- フォームに名前や説明を設定し、テーマを選ぶ
- 問題となる質問を作成する
- 回答の検証機能を有効にする
- 質問内容を工夫する
- コード入力用の仕組みを設定する
操作を見ながら学べるステップガイド
教育現場では、生徒の関心を引きつける工夫が常に求められてきました。ただ、その難しさは、パンデミックによって生徒同士が物理的に離れたことで、さらに増していきます。対面でのやり取りが限られる中、教師にはより柔軟な発想が必要になりました。そうした背景から、一部の教師が取り入れ始めたのが、バーチャル脱出ゲームです。学習とゲーム要素を組み合わせたこの形式は、生徒の反応も良く、成果を感じられる取り組みとして広がっていきました。
脱出ゲームが効果的なのは、学びの見せ方を変えられる点にあります。たとえば、数学の小テストを行うと聞けば、生徒からため息が出ることもあるでしょう。ですが、同じ内容でも、楽しいゲームとして提示すれば、反応はまったく違ってきます。中身は同じでも、伝え方ひとつで受け止め方は変わります。その違いこそが、脱出ゲームがうまく機能する理由です。
こうした効果は、生徒を退屈させないことにとどまりません。Gallupの調査によると、学習に主体的に取り組んでいる生徒は、そうでない生徒に比べて、成績が良好だと感じている割合が2.5倍高く、将来に希望を持っている割合は4.5倍にも上るとされています。学習への関与度が高まること自体が、生徒の意識や成果に直結している点は見逃せません。
生徒の主体的な参加は重要ですが、教室で脱出ゲームを取り入れる理由はそれだけではありません。欧州連合の支援を受けたプロジェクトである School Break のレポートでは、脱出ゲームの活用によって、次のような力を伸ばせると紹介されています:
- 他者とのコミュニケーションや協働を促す社会的スキル
- 課題に取り組む中での問題解決力
- 発想を柔軟に広げるラテラルシンキング
- 制限時間を意識した時間管理能力
- 学習への継続的な関与と集中力
生徒の関心を引き出すために工夫を重ねている教育関係者の方でも、純粋にデジタル脱出ゲームを作ってみたいというパズル好きの方でも、このガイドは制作の手助けになるはずです。ただし、Googleフォームを使った作り方に入る前に、まずは脱出ゲームのアイデアをどう考えるかについて整理しておきましょう。ここを押さえておくことで、全体の構成がぐっと組み立てやすくなります。

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オンライン脱出ゲームを作る
オンライン脱出ゲームのアイデアを出すことは、それ自体がひとつのパズルのようなものです。全体の要素が噛み合ってはじめて、参加者を引き込む体験になります。思いつきで問題を並べるのではなく、全体像を意識しながら組み立てていくことが重要です。アイデアを整理する際は、次の3つのポイントを意識してみてください:
- ゴール
- 対象者
- 重視するスキル
ゴールを明確にする
設定するゴールによって、選ぶパズルの種類や難易度は大きく変わります。学習を目的とするのか、思考力を試したいのか、それとも純粋に楽しませたいのか。あるいは、そのいくつかを組み合わせるケースもあるでしょう。たとえば、教えることを主軸にしつつ、生徒が飽きずに取り組める工夫を加える、といった形です。重要なのは、複数の目的がある中でも、何を最優先にするのかをはっきりさせることです。その軸となるゴールが決まっていれば、脱出ゲーム全体の構成や問題設計に一貫性を持たせやすくなります。
対象者を想定する
誰に向けた脱出ゲームなのかによって、難易度やテーマ、全体の長さは変わってきます。たとえば、小学1年生が対象であれば、Star Trek よりも、SpongeBob SquarePants のような親しみやすい題材のほうが向いています。また、集中できる時間も限られるため、ゲームのボリュームにも配慮が必要です。対象者を明確にすることで、無理のない設計がしやすくなります。
重視するスキルを決める
パズルごとに、参加者に求められる力は異なります。たとえば、暗号を使った問題であれば、計算力やパターン認識力が問われ、デザイン要素のある問題では、視覚的な理解力や発想力が試されます。どのスキルに焦点を当てるかは、対象者を踏まえて考えることが大切です。簡単すぎる問題では物足りず、難しすぎると途中で挫折してしまいます。無理なく挑戦できるレベルを意識することで、集中して取り組める脱出ゲームになります。
教育現場で使えるデジタル脱出ゲームのアイデア10選
脱出ゲームは、特定のテーマに生徒の関心を向けるうえで、効果的な手法として活用されています。ただし、同じタイプのパズルを繰り返していると、次第に新鮮さが失われてしまいます。そこでここでは、教室で取り入れやすい定番のアイデアを10個紹介します。授業内容やクラスの雰囲気に合わせて、柔軟に取り入れてみてください。
- 迷路:迷路は取り入れやすく、難易度も調整しやすいパズルのひとつです。Web上で素材を見つけやすく、用途に応じて簡単にも難しくもできます。集中力や記憶力を使うため、子どもたちにとって良い思考トレーニングにもなります。
- ビジュアルゲーム:ビジュアルゲームは、視覚的な情報をもとに考える力を引き出します。違い探しや、画像の中に特定の要素がいくつあるかを数えるといった形式は、空間認識力や短期記憶、物の見分け方を試す問題になります。特に小さな子どもたちには、取り入れやすく効果的なタイプです。
- ミニゲーム:ミニゲームは、さまざまなテーマをインタラクティブに扱える点が魅力です。LearningApps.org のようなサイトでは、学年別に教育向けゲームを探すことができます。あらかじめ用意されたテンプレートを使って、教師自身がオリジナルのゲームを作成できる場合もあり、内容に合わせた調整がしやすいのも特長です。
- クロスワードパズル:クロスワードパズルも、手軽に用意できて取り入れやすい選択肢です。素材が豊富にあり、教科やテーマに合わせて内容を調整しやすいのも特長です。言葉の理解や語彙の定着など、流暢さに関わる認知力を鍛えるのにも役立ちます。
- 文章に隠されたメッセージ:文章の中にメッセージを忍ばせるのも、関連テーマを使って生徒に挑戦してもらう楽しい方法です。歴史的な手紙や物語を使い、各単語や文の特定の文字をつなげて暗号にするといった工夫が考えられます。隠し方に決まりはなく、発想次第で表現の幅は広がります。ビジュアル要素と組み合わせることで、より引き込まれる体験にすることもできます。
- 置換暗号: 文字の意味を別の文字に置き換えて暗号化するのも、定番のアイデアです。たとえば、すべての文字を3つ分ずらすルールにすると、AはD、DはGといった具合に変換されます。答えに授業で扱った重要な内容を組み込めば、パズルを解く過程そのものが復習につながります。暗号を解きながら理解を深められる点が、この形式の魅力です。
- ヴィジュネル方陣:ヴィジュネル方陣は、26種類の置換アルファベットを使うタイプの暗号です。26×26の表を参照しながら文字の対応関係を探していくため、解読には段階的な思考が求められます。単純な置換暗号よりも難易度が高く、細部に注意を払う必要がある点が特徴です。問題解決のプロセスにもう一段深みを持たせたい場合に向いています。
- 身近なものを使う: 完全にオンラインの脱出ゲームを作成している場合、参加者はおそらく自宅でそれを解くでしょう。彼らの家にあるものを考えて、それらのアイテムをパズルに使用してください。例えば、特定の種類の結び目を作らせて、完成した結び目の写真をアップロードしてコードとすることができます。
- パターン:パターンは、単純な計算問題にせずに算数的な要素を取り入れられる、使い勝手のよい方法です。たとえば、数値が順に3倍されていく並びを用意し、次のセットを導き出すことでコードにたどり着く、といった構成が考えられます。数だけでなく、図形や文字、画像など、さまざまな要素で応用できるのも特長です。発見する楽しさを残しつつ、自然に思考力を引き出せます。
- 音を使ったヒント:モールス信号や音楽、環境音など、音は有力な手がかりになります。重要な情報を音の中に隠すことで、集中力や細部への注意力を試すことができます。さらに、生徒にとって馴染みのある曲を取り入れれば、楽しさも加わります。視覚中心になりがちなオンライン脱出ゲームに、良いアクセントを加えられる要素です。
Googleフォームで脱出ゲームを設定する
ここまでで、脱出ゲームの目的が決まり、対象となる生徒のことも把握できました。使えそうなパズルのアイデアも、ある程度見えてきたはずです。それでは、Googleフォームを使って、オンライン脱出ゲームを実際に作っていきましょう。
- 新しい脱出ゲームを作成:まずは新しいフォームを作成します。Googleドライブのメイン画面を開き、[新規]をクリックしてください。表示されるメニューから Googleフォームを選択すれば、フォーム作成を開始できます。
- 名前とテーマを設定: 次に、脱出ゲームに名前と説明を設定し、テーマを調整します。タイトルと説明文は、該当する欄に入力するだけで変更できます。テーマは、画面右上のパレットアイコンから編集できます。全体の雰囲気に合うデザインを選びましょう。
- 質問を追加する:ここからは、実際に質問を作成していきます。なお、すべての質問で完全なコードを出す必要はありません。難易度に応じて、コードの一部だけを提示するなど、出し方を調整できます。
正誤問題や選択式の質問では、各回答をコードの1文字に割り当てる方法が考えられます。一方で、記述式(段落)の回答にする場合は、回答できたらコード全体を渡す、といった設計も可能です。
使用する質問のタイプを変更するには、質問の右側にあるドロップダウンメニューをクリックします。選択式、短い回答、チェックボックスなど、さまざまな形式が一覧で表示されるので、内容に合ったものを選んでください。
- 回答を検証する:記述式の質問を使う場合は、回答の検証を有効にしておきましょう。正解かどうかをその場で確認できるため、生徒は迷うことなく次のステップに進むことができます。
質問右下にある三点リーダーをクリックし、[回答の検証]を選択すると有効にできます(この例では短文回答を使用しています)。そこから、正解を数値にするかテキストにするかを指定できますし、文字数が一定以上または以下であることを条件にすることも可能です。Googleフォームの検証機能を使えば、回答条件をシンプルにコントロールできます。
- 質問を工夫する:いくつかの機能を使うことで、質問の表現をさらに広げられます。サイドバーから、タイトルや説明文の追加、画像や動画の挿入、新しいセクションの作成が可能です。セクションは、複数の質問をまとめて一つのコードにつなげたい場合に便利です。コードを完成させて現在のセクションを終えたら、次のセクションへ進ませることもできますし、脱出ゲームの最後であれば、そのままフォームを送信させることもできます。
セクションは、全画面サイズの画像やテキストを表示する目的でも使えます。脱出ゲームの進行に合わせて物語を伝えたい場合に、特に役立ちます。画像を追加するには、該当セクションの右側ツールバーにある画像アイコンをクリックします。そこから、画像ファイルを直接アップロードするほか、URLを指定したり、Webカメラで撮影した画像を使ったりすることもできます。
- コードを提示する: 脱出ゲームの目的は、部屋や箱などを解錠することにあります。そのため、パズルを解いたあとに必要なコードを生徒に渡せるよう、Googleフォーム側で仕組みを整えておく必要があります。問題をクリアした流れの中で、自然にコードが提示されるよう設計することがポイントです。
その方法のひとつが、パズルを解いたあとに、コードが記載された新しいセクションへ進ませる方法です。ステップ5で物語用のセクションを設定したのと同じ要領で、画像をコードが表示されたものに置き換えるだけで対応できます。あわせて、現在のセクションの下部で「次のセクションに進む」設定が選ばれていることを確認しておきましょう。これにより、解答の流れの中で自然にコードを提示できます。
Googleフォームで脱出ゲームを作成する手順まとめ
- Googleフォームを、Googleドライブのメイン画面から新規作成します。
- 脱出ゲームにタイトルと説明を設定します。
- 内容に合わせてテーマを調整します。
- 質問を追加し、目的に合った質問形式を選びます。
- 回答の検証を有効にし、正誤が分かるようにします。
- 画像や動画などの機能を使って質問を工夫します。
- セクションを使って物語を進め、コードを提示します。
Googleフォームの代替ツールを活用する
Googleフォームは手軽で使いやすい選択肢ですが、脱出ゲームに必要な機能がすべて揃っているとは限りません。たとえば、脱出ゲームでは制限時間を設けることが一般的です。時間制限があることで緊張感が生まれ、生徒の集中力を保ちやすくなります。こうした演出や進行管理まで含めて考える場合、フォーム作成ツールの選択肢を広げてみるのも一つの方法です。
別の方法として、Jotformを使って脱出ゲームを作成し、Global Countdownウィジェットをタイマーとして利用することもできます。時間制限を組み込みたい場合でも、追加ツールに頼らず設定できるのが特長です。脱出ゲームの作成手順は、これまで紹介してきたGoogleフォームの場合と大きく変わりません。基本的な流れは共通しているため、同じ感覚で進めることができます。
- 新しいフォームを作成するか、無料のオンライン脱出ゲームテンプレートを使って構成のヒントを得ます。
- タイトルと説明を入力し、内容に合わせてテーマを設定します。
- カード形式のレイアウト、または改ページ要素を使い、1ページに1問ずつ質問を作成します。
- 回答の検証を有効にして正誤を判定し、エラーメッセージも必要に応じてカスタマイズします。
- 画像や動画を使って、質問の表現を工夫します。
- セクションを活用して物語を進め、コードを提示します。
- 条件付きロジックを使い、成功・失敗などエンディングごとに異なる完了ページを表示します。
Jotformは、Googleフォームの代替として無料で使えるフォーム作成ツールです。インタラクティブなフォームやアプリを手軽に作成でき、教育現場向けに設計されたテンプレートも数多く用意されています。また、豊富な連携機能を使えば、すでに利用しているアプリと組み合わせて運用することも可能です。生徒向けの脱出ゲームを作成しているのであれば、選択肢のひとつとしてJotformを試してみるのもおすすめです。
写真提供:Karolina Grabowska






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