市場調査はもちろん、従業員や学生、顧客を対象としたアンケートを作成する際は、7段階リッカート尺度や5段階リッカート尺度の活用を検討してみましょう。リッカート尺度は回答しやすく、回答者にも分かりやすいだけでなく、データの収集や分析を効率的に行えるというメリットもあります。
リッカート尺度という言葉は聞き慣れないかもしれませんが、アンケートで一度は目にしたことがある方も多いでしょう。リッカート尺度とは、回答者の態度や満足度を測定するための評価尺度です。回答の選択肢は、3段階(肯定・中立・否定)から9段階(4段階の肯定・中立・4段階の否定)まで幅広く設定することができます。
リッカート尺度は、満足度や賛否を測るだけではありません。回答頻度(「まったくない」~「非常によくある」)、可能性(「可能性が非常に低い」~「可能性が非常に高い」)、品質(「非常に悪い」~「非常に良い」)、重要度(「まったく重要ではない」~「非常に重要」)など、さまざまな項目の評価にも活用できます。
アンケートで使用できるリッカート尺度にはさまざまな種類がありますが、特に人気が高いのは5段階リッカート尺度と7段階リッカート尺度です。これらにはいくつかの共通点があります:
- 中立的な選択肢を含む、幅広い選択肢を提供します。
- 匿名性が確保されるため、回答者がより率直で正直な意見を述べやすくなります。
- 解釈や分析が容易な、実用的な定量データを収集できます。
- 回答者が具体的な選択肢を通じて、自分の意見を明確に表現できます。
それぞれの仕組みをより分かりやすく説明するために、ある例を考えてみましょう。あなたの会社が最近、新しい製品をリリースしたとします。友人、家族、そして長年利用している顧客に試してもらった後、一般公開する前に全体的なフィードバックを収集するため、新製品に関するアンケートを作成して配布することにしました。
新製品アンケートにどちらの選択肢が最適かを検討する前に、まずは5段階リッカート尺度と7段階リッカート尺度について、もう少し詳しく見ていきましょう。
5段階リッカート尺度
5段階リッカート尺度を使用すると、細かな違いを反映した、実用的で明確なフィードバックを得ることができます。また、余分で(場合によっては不要な)選択肢を増やすことなく、十分な回答の幅を提供できます。
例えば、3段階リッカート尺度では、「満足」「どちらでもない」「不満足」のように、肯定的な選択肢、否定的な選択肢、中立的な選択肢がそれぞれ1つずつしかありません。そのため、具体性のある詳細なフィードバックを得るには十分ではありません。一方、6段階リッカート尺度では中立的な選択肢がなく、肯定的な選択肢3つと否定的な選択肢3つだけで構成されます。多くの人にとって、5段階リッカート尺度は、回答選択肢が少なすぎる場合と多すぎる場合のちょうど良いバランスを提供します。
新製品アンケートを考えてみましょう。以下のような3つの質問を含めることができます。
- この製品の品質にどの程度満足していますか?
- この製品の価格にどの程度満足していますか?
- この製品の利用しやすさにどの程度満足していますか?
「満足」「やや満足」「どちらでもない」「やや不満」「不満」といった5つの回答選択肢を用意することで、参加者は明確に肯定的または否定的な回答を求められるのではなく、微妙な感情やニュアンスを表現できるようになります。その結果、さまざまな有益なフィードバックを収集できるだけでなく、回答者にとっても、細かな違いを反映しながら、分かりやすい選択肢で回答できるようになります。
7段階リッカート尺度
7段階リッカート尺度は、シンプルさや使いやすさの点では5段階リッカート尺度と似ていますが、回答者にはより深い自己評価が求められます。これは、満足度の尺度に「非常に満足」と「非常に不満足」という2つの選択肢が追加されるためです。
回答内容を確認するためにより多くの時間が必要になり、回答者が回答する時間も増える可能性があります。しかし、その分、7段階リッカート尺度を使用することで、回答者が新製品についてどのように感じているのかを、より正確に把握できる可能性があります。
ただし、注意点として、回答者によっては7つの選択肢を多すぎると感じる場合があります。その結果、アンケートを進めるうちに退屈したり、関心を失ったりする可能性があります。(いわゆる「アンケート疲れ」)さらに、最初に多くの回答選択肢を見て圧倒され、アンケート自体を避けてしまう可能性もあります。
5段階リッカート尺度と7段階リッカート尺度を比較
では、5段階リッカート尺度と7段階リッカート尺度では、どちらが優れているのでしょうか。その答えは、アンケートの目的や対象者、サンプル数によって異なります。
どちらも十分なサンプル数を対象とした調査に適していますが、5段階リッカート尺度は、回答者にも調査担当者にも分かりやすく、短時間で回答・分析しやすいのが特長です。選択肢の数と回答のしやすさのバランスがよく、有益なデータを効率的に収集できます。一方で、より詳細な意見や評価を収集したい場合は、5段階リッカート尺度では十分な情報を得られないこともあります。
一方、7段階リッカート尺度は、より詳細な回答を収集したい場合に適しています。選択肢が増えることで、より精度の高いデータを収集できる可能性があり、分析結果を意思決定や製品・サービスの改善に役立てやすくなります。
ただし、その分、結果の分析には時間と手間がかかります。7段階リッカート尺度は収集できる情報量が多いため、回答の集計や分析も複雑になりがちです。特に、数百人規模のアンケートを実施する場合や、限られた時間で分析を進める必要がある場合は、その負担が大きくなることがあります。
中立的な選択肢のメリットとデメリット
5段階リッカート尺度や7段階リッカート尺度のような奇数段階のリッカート尺度には、「中立」の選択肢が含まれています。一方、偶数段階のリッカート尺度には中立の選択肢がありません。中立の選択肢があることで、回答者は肯定・否定のどちらにも当てはまらない場合に、その意思を反映した回答を選ぶことができます。
一方で、本来は意見があるにもかかわらず、深く考えずに「中立」を選んでしまう回答者もいます。反対に、中立の選択肢を設けない場合は、意見を持たない回答者にも肯定・否定のどちらかを選ばせることになり、調査結果に偏りが生じる可能性があります。
そのため、新しい製品やサービスに関するアンケートを作成する際は、まず収集したいフィードバックの内容や調査対象を明確にしましょう。そうすることで、5段階リッカート尺度と7段階リッカート尺度のどちらが適しているか判断しやすくなります。どちらを選んでも、ビジネスの次の意思決定に役立つ貴重なフィードバックを収集できるでしょう。
写真提供:Dragonfly Ave(Unsplash)
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